茜伊 AKAI

【茜伊 AKAI】伊根 海底熟成酒 2026年ヴィンテージ

海に託して、一年に一度だけ。

茜伊(あかい)は、京都・伊根の向井酒造が古代米を使って醸す日本酒「伊根満開」を、蔵の目の前に広がる伊根湾の、水深22mの海底で熟成させたお酒です。

2025年9月20日に沈め、2026年8月6日に引き揚げるまでの320日。私たちはこの時間を「トツキトオカ」と呼んでいます。

品介酒店の海底熟成プロジェクト「Project Bleue」が、三度の試験を経て商品にした、はじめてのお酒です。

水深22m / 海の中で320日 / 2026年に引き揚げた茜伊は201本

Story

2022年夏|はじまり

京丹後市丹後町間人(たいざ)。店主の柏原大介が生まれ育った、日本海に面した小さな漁師町です。年々過疎化が進み、静けさが増していく町でもあります。

町おこしのイベントで出会ったのは、京都市内から来た大学生のボランティアたち。自分たちの故郷でもないこの町の未来を、真剣に議論していました。その姿に心を動かされると同時に、「地元出身の自分が、何もせずにいていいのか?」と強い焦りを覚えました。

ソムリエである店主と、目の前に広がる日本海。その二つがつながり、Project Bleue が始まりました。最初の挑戦の様子は、「ProjectBleueとは?」のページでご紹介しています。

2023年春|一度目の試験 150本、全損。

京丹後市内の海に半年前に沈めた150本を引き揚げに行くと、重さ400kgの鉄カゴは壊され、設置場所から150mも沖へ流されていました。150本はすべて破損。手元に残ったのは、ひしゃげた鉄カゴだけでした。

やはり、冬の日本海で海底熟成なんて無理なのか。心が折れそうになっていた店主に、生前の父はこう言いました。

「これで辞めるような人じゃない」

その言葉に背中を押され、店主はもう一度立ち上がりました。

2023年秋|二度目の試験 波の届かない場所を、探して。

失敗の原因を突き止めるため、海洋物理学を一から調べ、地元の漁師さんやプロのダイバーさんのもとへ通いました。理論と経験の両面から、波の力と、地形や水深から最適な場所を導く「法則」にたどり着きました。

同じ京丹後市内で場所を変えた二度目の試験では、半年の熟成で60本の引き揚げに成功。ただ、ソムリエの舌には、陸上で保管したものとの劇的な差は感じられませんでした。半年では、届かない。

2024年|三度目の試験 18種類から、一本を選ぶ。

次に選んだのは、隣町・伊根町の伊根湾。向井酒造の協力を得て、蔵のラインナップ全18種類・計150本を、岩ガキの養殖イカダの真下、水深22mの海底に沈めました。

一年後に引き揚げ、杜氏の向井久仁子さんや蔵の皆さんと、すべてを利き酒しました。ほかのどのお酒よりも劇的に、そして美しく味わいを変えていたのが、古代米の日本酒「伊根満開」でした。

「陸上の保管に比べて……より美味しく、まろやかになってる!」
(向井酒造 杜氏 向井久仁子さん/三度目の試験品の試飲で)

2025年9月20日 → 2026年8月6日|商品化の第一弾

2025年9月20日、向井酒造で瓶詰めした伊根満開を、伊根湾の水深22mへ。

320日後の2026年8月6日、227本を1本も割らずに引き揚げました。瓶の中に海水が入った本数は、0本。あの大失敗から始まった挑戦で、過去最良の結果でした。

227本のうち、透明の瓶の茜伊が201本、濃紺の瓶の碧伊(あおい)が26本です。

証明のない海に、母の名を。

海底熟成は、科学的に証明された技術ではありません。冬の日本海に鉄カゴを沈める作業には、危険も伴います。

証明も保証もない挑戦だからこそ、すべての生命が生まれた母なる碧い海に託す思いで、フランス語の「青」を女性形にした Bleue を、プロジェクトの名に選びました。

Ine Bay, 22m

波の届かない、水深22m。

京都府の北、丹後半島にある伊根湾は、日本海側では珍しい南向きの湾。海に浮かぶように舟屋が連なる伊根浦の町並みは、国の重要伝統的建造物群保存地区に選ばれています。

養殖イカダの真下、静寂の聖域。

2026年ヴィンテージの茜伊が眠っていたのは、岩ガキの養殖イカダの真下。海面に浮かぶイカダが、波と光をやわらげる「天然の蓋」になると考え、この場所を選びました。私たちはここを「静寂の聖域」と呼んでいます。

海底には、陸上の約3倍、約3気圧の圧力がかかっています。

伊根湾に面した、向井酒造。

茜伊のもとになる「伊根満開」を醸すのは、伊根湾沿いでいちばん海に近いといわれる、創業260年以上の向井酒造です。

伊根満開は、紫黒米(古代米)を使って醸したロゼ色の日本酒。2019年のG20大阪サミットでも提供されました。

Taste

海が変えたもの。

透明の瓶に、古代米の淡い茜色。光を通す瓶なので、色の移ろいを栓を抜く前に確かめられます。

色は夕暮れの茜へ。角の取れた酸味の奥から、熟した果実のような旨味とコクが立ちのぼります。

三度目の試験品(2024年に沈め、1年後に引き揚げ)で確かめた変化
・角が取れた、まろやかな酸味:フレッシュな酸味が、完熟した果実のように穏やかに。酸が消えたのではなく、優しく包み込むような酸へ。
・深まるコクと旨味:お米の旨味が引き出され、とろりとした舌触りに。古酒のような色気のある味わいへ。

AKAI & AOI

性格の異なる、姉と弟。

どちらも「伊根満開」の海底熟成酒です。

茜伊(あかい) 姉・動|歓びと祝福
透明の瓶から透ける色は、伊根の海に沈む夕陽のよう。華やかで、場を明るくする存在。還暦や結婚記念日、お正月など、ハレの日の乾杯に。

碧伊(あおい) 弟・静|静寂と高貴
濃紺の瓶は、お酒が眠っていた静寂の海底そのもの。神秘的で、心を落ち着かせる存在。週末の夜や、大切な人との静かな語らいに。

2026年に引き揚げた碧伊は26本。当店では碧伊も、数に限りがありますがお分けします。

How to enjoy

ハレの日の、乾杯に。

ロック:氷がゆっくり溶けるにつれ、旨味がひらいていきます。
ソーダ割り:甘酸っぱさが炭酸ではじけ、華やかな食前酒に。
水割り:まろやかさが際立ち、お出汁の和食に寄り添います。

合わせるなら:伊根の寒ブリのしゃぶしゃぶ、脂ののった肉料理。食後に、デザートワインのように。

こんな日に:子供の生誕、大切な方の誕生日、結婚記念日、新築祝い、還暦の祝い、お正月に。

保存:開栓の前も後も、冷蔵庫で保管してください。

商品について

品目:清酒(日本酒)
原材料名:米(京都府産)、米麹(京都府産米)
アルコール分:14度
内容量:720ml
瓶:透明
熟成:京都府伊根町 伊根湾 水深22m(2025年9月20日 沈設 → 2026年8月6日 引揚)
保存方法:開栓の前も後も、冷蔵庫で保管してください
醸造元:向井酒造株式会社(京都府与謝郡伊根町)
海底熟成・販売:品介酒店(京都府京丹後市丹後町間人)

2026年ヴィンテージを、ご自宅へ。

毎年9月に沈め、翌年の夏に引き揚げる。海底熟成は一年に一度だけです。引き揚げた年の名で、毎年ひとつのヴィンテージをお届けします。その年のヴィンテージは、売り切れた後に追加でつくることはできません。

2026年に引き揚げた茜伊は201本。そのうちの限られた本数を、当店でお分けします。贈りものには特製化粧箱付きを、ご自宅用には化粧箱なし(風呂敷付き)をお選びいただけます。

飲み比べセットは、海に沈めていない伊根満開と、海で320日を過ごした茜伊の2本組。2本を同時に開けて、二つのグラスで少しずつ飲み比べてください。

20歳未満の者の飲酒は法律で禁止されています。
妊娠中や授乳期の飲酒は、胎児・乳児の発育に影響するおそれがあります。
飲酒運転は法律で禁止されています。お酒は適量を。

柏原 大介(品介酒店 店主)

京都府京丹後市丹後町間人(たいざ)出身。J.S.A.認定ソムリエ。

引き揚げや伊根の海のことは、Instagram(@project_bleue)で発信しています。